博多港から出港するフェリー”かめりあ”に乗って、チング(親友)のパク・チャルオップの待つ釜山港へ船の旅で始まる。
パクさんが用意してくれている車に乗って、釜山から一時間半ほどの町”晋州”へ向かい、そこでチャルオップの友であり、
今回の山行のリーダーである朴隊長(パク・テジャン)、それと黄(フォン)さんと合流する。中々温厚そうな隊長じゃないか・
とその時は思ったが、とてつもない体力の持ち主である事が数時間後に思い知らされる。さて、日韓合同パーティーでの
山行だ・・・どんな珍道中になることやら。
■朴隊長(以下パクテジャン)の自宅で出発の準備。
日本から来たゲスト(私)を色々誉めたり、おだてたりして、
上手い事玉ねぎ5個と林檎6個持たされた♪重いんだよね・・
この系統ってさ。。まぁいいけど・・・ここからはタクシーで登山口へ
向かった。車への帰着はしないで端から端まで智異山を大縦走
させてくれる計画のようだ。
■智異山のメインの登山口は中山里(チュンサンリ)であるが、
智異山を知り尽くすパクテジャンはとっておきのルートから登らせて
くれると言う。そこは智異連山の一番端から登り出すロングコース
で、しかも登山客がきわめて少ないと言う。 その取っておきの
ルートがここ”セジェ”の集落である。登山道近くで、地元の料理店
に入りまずは腹ごしらえ!チングのチャルオップが「メギで良いか?」
と私に聞くので、「ゲンチャナヨ!(大丈夫)」と答える。メギ料理とは
ナマズの辛みそ鍋料理であり、滋養強壮・体力モリモリ料理として
地元では有名だ。 C1焼酎とメギ料理で精をつけたら、さぁ出発。
写真の奥から、フォンさん、パクテジャン・私、である。
■これがその通のみぞ知る”セジェ”からの取り付きルートだ。
確かに取っておきのルートと言うだけあって、人もいないし、森も
豊かだ! しかし、なぜ人が少ないか・・・この後すぐにわけが
わかった・・・
■登山道取り付き点に看板がある。これ・・・・ 立入禁止。。。って事じゃないの・? とパクテジャンに聞く。
パクテジャンも チャルオップもその瞬間、日本語が理解できないような顔をした。確かに登山者は少ないよね。
■オオバオオヤマレンゲの可憐な花。
■超ハイペースに翻弄され、うなだれる
チング(親友)のパク・チャルオップ♪
■更に登りが続く。チャルオップ踏ん張る。
■これは珍しい日本でも見たことの無いカモメ蘭。
カモメとは海に漂う鴎では無く、鴨の目・・が由来の様だ。
朱斑が射した花の様子が鴨目ににている事から名付け
られた。
■クルマバツクバネソウ。軸の部分が少し短いような
感じだった。
■これはユキザサかな・・・。
■メイン縦走路分岐。セジェの集落から5km登ってきた。
■稜線まであと一登り! 登山道にはナラの木が多い。
■稜線上の広場に出た。正面の山は智異山連山の東の端、中峰(チュンボン)の山頂だ。この広場で一泊しようと言うチング
の意見は見事に却下され、中峰山頂まで行く事になった。
■中峰から北側に派生する尾根だが、実に深い原生林い覆われている。 伐採の跡形も見えない自然のままの山肌は、
味わい深く、来る者を優しく受け容れる。
■中峰山頂の少し手前で、山頂に向かいお祈り
を捧げる、パクテジャン。こちらではこれ礼儀なの
だろうか。
■さて晩飯の準備だ。キムチに青唐辛子に韓国焼酎。
プルコギ(焼肉)は豚の三枚肉から焼き始める。
■チャルオップも晩飯になると元気になった。
■食料の多さには、私も舌を巻いた・・降参です。
■もう食べれないと思った頃、米を
炊いて大鍋でラーメンを作っていた。
■智異山の山並みに沈む夕陽は何とも幻想的だった。
この日 中峰山頂(1875m)に野営したが、放射冷却で
19:30頃の気温は 1℃まで下がっていた。
■愛すべき私のチング(親友)パク・チャルオップさん。
今日の登山はどんな印象だったか・・・この顔つきが
雄弁に物語っている。
■チングは私に問うた・・「山登りは何が楽しいですか?」
実に哲学的な、問いかけである。
■恐るべしはこのパク・テジャン(朴 隊長)である。なんと
テントにも入らず、フライも張らず、そのままコロンと寝る。
ご本人曰く、ゴア製のシュラフであるので、少々の雨も大丈夫
だと・・・ツタンカーメンを彷彿とさせる風景だ。