(2006年9月3日)
祖母傾山系、親父岳・障子岳〜古祖母の稜線の南斜面には多くの渓谷が注いでいる。尾平側に比べると緩斜面の
この界隈には、独特の谷の特徴を備えており、また自然も豊富だ。残暑厳しいこの頃、谷から障子岳を目差してみよう。
福岡からのアプローチでは、早朝出発したとしても一日仕事としては少し道中が長い。この界隈へ出かけるにはやはり
前夜泊が都合が良い。近くの『高千穂道の駅』で前夜仮眠を取ったのだが、この道の駅は清潔で感じも良くとても快適
だった!当日早朝06:30出発で土呂久林道を目差した我々は、源流域に待つ素敵な光景を夢見ながら沢に足を浸した。
■土呂久橋より入渓する今日も元気な綾吉&天唐 ■登山道脇にすぐ出てくる「つが谷大滝」 綺麗な滝だ。
●30m以上はあろうか・・ここは敬意(?)を表して左巻道から
■ここからが実質スタート。2段30m程の滝は落ち口の垂直壁
に圧倒されるが、近くによるとルートが開ける。 ■フリクションを効かせて取り付く。
■天唐さん続く。
■右岸に取り付いて二段目を左岸に渡り返す。上部は左岸のホールドが豊かだった。
■攀じ登る綾吉さん。 2段目から上部はザイル確保する。
●滝の登攀は危険が多い。熟達者・経験者のと同行の上、安全確保には細心の注意が必要!
■谷前半が核心部だ、開放的な渓相。 ■お助け紐活躍。
■釜付小滝をヘツリ、シャワーで越える・・・遡行が楽しい渓だ。
■夏の沢登りはシャワーで行きましょう。ここら辺りは 虻がいないのでホッとする・・・
●我らは遡行中、常に7.5mの特太テープ(2.5mm)をハーネスに固定している。
これが中々便利でセルフビレイやお助けスリングとして活用範囲も頻度も高い。1パーティーに一本あると重宝しますね♪
■釜付は左から。 ■快活な渓相だ。
■さぁ、天唐さん泳ぎましょうか。 ■手掛り、足がかり豊富で登り易い。
■岩盤を穿って流れる清流に心洗われる・・ 大石が詰まる谷をかみ締めながらの遡行が続く。
■ナメも綺麗だ。 ■ツッパリ、チムニーで越える。
■綾吉さんはお腹が減ったそうです。
■左股分岐にかかる滝、20mくらい。 ■右股にも滝が出合う、ブッシュコンタクトライン直登。
■20m強の滝、の取り付けそうだが、逆層で上部も被っている。ここは左岸の草付との境を攀じ登る。
途中、3箇所の立ち木にスリングビレイを取った。 8mx 30mザイルで少し余ったので、22〜23mかな。
■セカンドの天唐さんはブルージックで登ってきた。
■ラストの綾吉さんフォローで登攀・・途中ちょっと難しい箇所がある。
■滝を越えると、穏やかな渓相に、 ■小休止で行動食を取り、ご満悦な綾吉さん♪
■つが谷の核心部は、この滝で終了。この後は源流部に
なるにつれて、流れも細くなる・・・が岩が出てくる。
数々の行動食をクリアし、尚も「冷やし中華」に視線を
落とした綾吉さんの視界から、「冷やし中華」を隠し、
笑顔で首を横に振った。障子岳山頂のお楽しみです♪
■流れは細いながらも、ちょっと厄介な小滝・・・落ち口あたりのホールドがとても微妙だった。ボルダーチック・・
■たんたんと高度を稼ぐ。
■岩壁のような滝。ホールド充分にあるので中心を登るが、上部では確保しましょうか・・安全第一!
■最後は確保・・結構高度感がある。
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■岩場を越えると傾斜が緩み、やはりここにも
湿原があった!かえで谷の源流部にも青草が
茂る湿原があったが、ここ つが谷の方が少し
規模が大きいような感じがした。
■湧き水が溢れ出る 『つが谷湿原』でしばし憩う。
■湿原帯を抜けると、ブナと栂の茂る原生林が待っていた。 ■広い源流域を詰めあがる。
■そして、笹薮に突入!口を尖らせ、ヤブコギに勤しむ綾吉さん・・文句が多いようです。
■稜線に向け最後のひとあがき!
■祖母傾主稜線に脱出。 ■障子岳山頂(1705m)
■祖母傾山系の中でも、この山はとても魅力的だ!
■障子岳から古祖母にかけての稜線。尾平側はガスで真っ白!高千穂側はガスが切れている。
■土呂久方面へ一般登山道を下山する。4年前に比べると登山道は綺麗に整備されていた!
●1時間半ほどで無事に下山。 皆さんお疲れ様でした♪
■つが谷の核心部は入渓前半だった。滝と釜と斜滝など、とても
バリエーション豊かで、開放的な気持ちの良い谷でした。
遡行する者を夢中にさせる谷ですね。源流域の湿原もロマンチック
でまた再度訪れてみたいものです。
●● つが谷界隈で出逢った 花達 ●●
■レイジンソウ(伶人草) ■サワオトギリソウ(沢弟切草)
■ガマズミの実・・・(?) ■ツチアケビの花
●● 新製品 フィールドテスト報告♪♪ ●●
■今シーズン鳴り物入りでデビューした、新しいタイプの沢靴。従来のフェルト底
では無く、ファイブテン社製造の「アクアステルス底」の沢靴を今回初めて使用
した。結果は大満足!特にスラブ系の岩には吸い付くようなフィット感がある。
全体的にフリクションがよく効いて、ラバー底に対する一抹の不安を消し去った。
フェルトの欠点を全てカバーしているわけでは無いが、とても小さなフットホールド
に立ち込む時等にはかなり強い。今年このタイプの渓流靴をリリースしたのは、
沢屋の殿堂 『秀山荘』 Zone シリーズと キャラバンの「渓流」シリーズ゙だ。
各社今年は様子見の為、製作数が少なかったようでサイズによっては売切れ
が多いようだ。
因みに私が購入したのは、IBS石井スポーツ福岡天神店 で取り寄せて
頂きました。
IBS石井さんありがとうございました!
■ステルス底で「滑ったな・・」 と感じた箇所を、フェルト底でも試して
みたが、結果は「ステルスで滑る所は、フェルトでも滑る・・」と言う事だ。
例えば、沢登終了時に、登山靴に履き替える必要が無い・・・と言う意見
もあるが、「従来私は履き替えない派」だったので、あまり意味は無い。
登山道を下山する際に、フェルトに比べると一般登山靴に近い感覚で
滑り難いとは思うが、今回の下山時にはよく滑って転んだ・・・^^;
但し、耐磨耗性はフェルトより高いと言う。
■時 期 : 2006年9月2日
■地 図 : 祖 母 山
■メンバー : 天唐、 綾吉、 沢グルメ (敬称略)
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