(2007年6月30日)
■日之影川中流域に「煤市(すすいち)」と言う地名がありそこには、
とても気になる支谷がある。 地図によっては、「水谷」とか、「落水谷」と
言う名称が付けられているが、国土地理院2万5千分の1の地図には
谷の名前はおろか、水線も引かれていない。現場に架かっている橋の
袂には「煤市谷」と言う名前が刻み込まれてるので、ここでは煤市谷と
呼ぶことにする。 この谷は、沢や 源流を生業としている人達であれば
一度はその水線や等高線を指でなぞった事があるのではないだろうか!?
数多い支谷を有し、四方の山や尾根からの雨水を集め、また中流域では
とても急峻な地形を想像させる・・・そんな「魅惑の谷」である。
だが、この谷は源頭の沢詰めは、どこかのピークに出るわけでもなく、稜線
に突き上げるわけでもなく、ただ本谷山から乙野山方面に波及する支尾根の
西側斜面にすんなりと吸い込まれて行くのだ・・・ 下山はどうするか・・?
源流域の東にある1308.3mのピークを目安にして、後は尾根を拾って下るか。
色々考えてみても始まらない、早速行ってみよう♪
長年、地図をなぞっていた「魅惑の等高線・・渓谷」は、いたいどんな表情を
見せてくれるだろうか!
● ・・・ 遡行ルート |
■ ・・・ 下山ルート |
滝マーク(左)・・煤市大滝 |
滝マーク(右)・・煤市右股大滝 |
■煤市谷(すすいちだに)の源流部は右側に4つの支谷を有
するようだ。入渓流地点の標高が≒620mで、標高780m
地点に一の股が出合い、、800m地点で本流と同規模の
煤市谷右股が出合う。本流も支谷もこの辺りからが核心で
あるように見えてくるのだが・・・実際はどうだろうか。
沢沿いの原生林は豊かか・? 水は綺麗か・・?
はたまた、水は有るのか・・!?
■煤市の集落付近に車と停めて、煤市橋の付近で入渓する。 橋のタモトには『煤市谷』の標識が見える。 煤市橋の手前までは平なゴーロが続いている。
■いつもの定例儀式・・・渓にお神酒をあげて道中の安全祈願をする。 ■入渓直後はこんな普通の渓流・・まぁ、黙々と遡行を続けよう。
■暫く遡行を続けると段々アクセントが出てきた! 小滝を攀じる綾吉さん。 ■渓の感じはとても良い!
■時折出てくる釜は、結構深い・・天唐さん、綾吉さん泳ぐ。 ■ここら辺りから滝の連発だ!釜つきの多段滝は泳いで取り付く。
■泳ぎの達者なミッチーが先陣を切る!
■泳ぎきって取り付いたミッチー。 この滝は中央からシャワーで行ける。 ■すぐに2条の斜滝が現れる。手がかり豊富で中央突破。
■シャワーで突破の天唐渓遊さん
■この付近は滝の連発だ。水は極めて綺麗で水量も豊富!!
積極的に水に接するにはとても楽しい渓だ。
この滝連発区間を過ぎると・・・そこには!!!
■滝を越えると突然現れた スケールの大きな「すり鉢状のナメ滝」!! 傾斜もキツそうだが とにかく美しい風景だ。
■丁度 陽も差してきた! ザイルを張って皆さんで楽しみましょう♪ ■水流の多い方にトライするミッチー・・水圧と滑りに往生して左側を登った。
■ふたすじさん ブルージックで登りました! ■朝ごはんはアッサリとソース焼きそばで決めた綾吉さんフォローします・
■ナメ滝の上には釜付きの斜滝・・・天唐さん泳ぎます。 ■泳ぎきって取り付き!水圧もきつそう。
■ふたすじさんも泳ぎました。水圧の強い斜滝を登ります。 ■水圧から抜け出した綾吉さん
■夏の日差しを受け輝く開放的な渓! ミッチーも良い沢屋さんになりました。 ■連続する斜滝を越える。
■『俺 ここに飛び込む』と懇願するミッチー・・・・ んで、飛び込みました。 透明感のある綺麗なプールでしたね♪
■チョークストーン滝の滝裏にまわる。 ■心地よい陽射しの所で小休止 ■辺りは全て原生林だ!
■一枚岩の岩盤の上を滑るように流れる清らかな流れ・・・素晴らしい景色だ! ■斜滝の飛沫を浴びて綾吉さん
■続いて現れた2条の美瀑★右の流れのからは簡単に登れそう。しかし中間支点部分のハーケンが良く効かない・・フリーでも行けるが安全第一、右を小巻きした。
■トユ状の滝は中央突破!
■大釜の先に素晴らしいナメが続く! 釜を見ると飛び込むミッチー。 ■快適で綺麗なナメ床が暫く続いた・・この谷は本当に変化に富む秀渓だ!
■美しい岩肌に纏わり付くように流れる傾斜の強いナメ滝。 ■滝のオンパレードだ! シャワーで越える綾吉さん
■8m強・・登りごろの滝のようだが、落ち口が悪い・・流れが集約され、水圧が強い上にホールドに乏しい・・・ザイルを出す。
■もう頭からビショビショの綾吉さん・・これがシャワーですね♪
■連瀑帯を抜けると様相は一転!人家大の巨石が谷を埋めつくす凄い風景になった!巨石に流れを遮られ端っこを水流が落ちてゆく・・この斜滝を抜けた先には!!!
■これは珍しい風景だ!巨石が重なり合った空間の真上から流れが落ちてくる。
■天然のシャワールームか!! 空間の中央天井から降り注ぐシャワー★ これは素晴らしい!この谷の印象的な巨石区間だった。
■谷は源流部となり苔むしてきたが尚も滝は続く・・この滝を越えると、遠くに何か岩壁のような物が見えてきたが・・・
●煤市谷は入渓直後のゴーロ帯から、釜付き滝の連続帯になり、壮大なナメ滝・・
それから又連続する滝を越えて行くと 美しいナメ床・・・一枚岩を滑るように流れ
る美しい清流・・・また連瀑帯と 変化に富む素晴らしい谷だ! そして源流部に
入るとビルのような巨石が谷を埋め、重なり合い、何とも風情のある景色を見せて
くれる・・・・そして、そのフィナーレは・・・何と!!!
■何と岩壁のように見えていたのは大滝だった!!2段となって落ちる滝は一段目はゆうに50mは有り2段目が 20mくらいだろうか・・!ハングした壁から滑り落ちる
滝の水はは空中を舞い、飛沫となって落下する。 落下地点にミッチーが立ってもらった。ここまで来た者へのご褒美のような・・・そんな美瀑だった。
■誰からとも無く ザックを卸し手前の岩場に座り込む。見とれるような美しい
風景だ。この付近は右も左も 圧倒的な岩壁に囲まれていて、その岩壁の
隙間とか穴から、岩清水が噴出している。壁の中央部にはヤマツツジが綺麗
なアクセントを添えていた ・・・別天地だ。
遡行者を飽きさせない変化に富んだ煤市谷は、最後にこんな宝物まで用意して
くれていたのだ。この圧倒的なスケールを誇る美瀑に 「煤市大滝」 と名づけた。
■さて下山・・岩壁帯を左に回り込み、1308.3mピークから波及した尾根を目指す。 ■途中に浅い谷筋・・・これを詰めるとピークの筈だ。
■首尾よく目的の尾根に出たようだ。やがて植林帯となりそま道が明確になってきた。途中にある岩場からは煤市谷右股にかかる大滝が見えた!100mくらいある・?
■一旦谷へ降りるルートを辿ってしまったが、谷の左岸にソマ道がある事を
遡行中に確認していた。 最後はその左岸のソマ道を利用して煤市集落へ帰着。
■今回も相変わらずのタフさを見せた ふたすじさんでした♪
■煤市集落の こんな作業場横に出てきた。無事のご帰還お疲れ様。
長期予報では雨の週末だったが、この日はお天気にも恵まれ真夏の太陽にも
照らされ気持ちの良い遡行が出来ました。この日の影界隈には まだまだ気になる
沢・谷が沢山有りますね・・・ 今度は何が出てくるか次回のお楽しみです。
それでは また素敵な渓で お会いしましょう・・・皆さん お疲れ様でした!
■ 時 期 : 2006年 6月30日
■ 地 図 : 見 立
■ メンバー : 天唐渓遊、 ふたすじ、 ミッチー、 綾吉、 沢グルメ (敬称略)
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