五家荘・白鳥山北西尾根 (2008年4月19−20日)

   <せんだん轟の滝>

   ■九州の背骨を構成する深く長い山脈、脊梁山地・・・ここ数年の台風や記録的な大雨で、網の目のように張り巡らされた山岳林道はあっけなく崩壊、
   登山ルートによっては浸入が極めて困難 ・・ “脊梁は遠くにありて想うもの”・・・と言う状況になっている。 九州屈指の山岳林道“椎矢林道”も、
   今年4月からは全面通行止め・歩行者も通行が難しいとか(内大臣森林管理課弁)。 五家荘にアクセスする二本杉峠は通行止め、大通峠も時間帯
   通行止め、さらに五家荘と椎葉を結ぶ、旧坊さん越を有する、椎葉越し峠も 復旧の目処すら立たない通行止め。脊梁山地を取り囲む林道網は、
   復旧が早いか、夏場の崩落が早いか・・と言うイタチごっこになっているようです。 さて、平家の落ち武者伝説色濃く残る五家荘は白鳥山山頂付近は
   特に ブナの原生林が濃い地帯でが、ここも 『にがこべ谷』 最初の大きなヘアピンカーブの辺りで止まっているようです。 しかしよくよく地形図を見ると
   ・・むむむ・・何やら北西に長く緩やかな尾根がある・・・ これを伝えば白鳥山頂付近に広がる広大な原生林地帯に出る筈。 
   久しぶりの脊梁山地・・春の芽吹きはいかがでしょうか。


 
 ■にがこべ谷キャンプ場の付近・西の内岩川にかかる橋のたもとに車を停める。準備終って振り返った先の斜面から いきなり、ごそごそ取り付こう!・・と思ったが、


                 ●振り返った先の斜面は コンクリートで固められていましたので、ちょっと西の内岩川沿いに進み斜め左の斜面からよじ登る。

      ●取り付き地点の標高は630m前後で、ひとまず目指す「北西稜線」の1200m地点に乗り上がろう。 初日は1550m付近まで距離を稼ぎたいが、
       さぁ、すんなり進めるか、何が待ってるでしょうか♪


■西の内岩川沿いを少し進み堰堤を越える・・・今日も元気綾吉っちゃん。        ■見当をつけて進行方向左上斜面の急斜面植林帯に取り付く
  



■一旦 林道に出て更に適当な尾根を目指して藪に突入! 植林帯と伐採地のはざまを登り上げ高度を稼せごう、取りあえず1200m付近の尾根まで ひとあえぎだ!
  
● ここら辺から登ろうか〜♪



           ■途中伐採地の明るい斜面に出たかと思ったら・・・! あらあら、地図には載っていない林道が通っていた。何だコレは・・・?!
  




 ■林道の辺りから先、稜線に乗りあがると・・・何とそこは 凄い藪・やぶ・ヤブ!! しばらくの区間は植林帯と 笹薮の連続でもう大変! 額に汗しながら
  ラッセルの要領でヤブを漕ぐが・・・先の見えないヤブコギが長く続くと、体力と気力を削がれます・・・^^; 頑張れ〜!必ず原生林が待ってるよー!

  





       ■ヤブとの格闘ひとしきり・・・標高は1450m前後に差し掛かったとき、風景が一変した! ブナの大木が茂る原始の森へ★
        





■ウエノウチ谷の支谷、 クロニタノ谷の最源流と思わしき場所には気持ちの良い自然林が待っていてくれた! この谷をじっくり詰め上がる。爽快な区間だ!
  



      ■ブナ・サワグルミ・ヒメシャラの大木はまだ冬枯れの様相で、明るい森を創造している。バイケイソウの新芽が爽やかだ。
      




 ■これが多分、1515mの三角点・・このピークから少しずつ高度を下げながら、次のピークに向かう途中、野営適地 発見! 時間は3時30分過ぎ・・・
  んん〜〜予定より少し早いが、今日はここで野営としましょう。 予想外のヤブコギで皆さんお疲れでしょうし・・(喉もカラカラ・) 早速ビバーク準備始め!

 沁        

     ■予定では、1570m付近まで前進する予定だったが、コギコギのヤブコギで向う脛も傷だらけ・・・^^; この先にも浅いすず竹が茂っていそうだ。
      野営地としては少々傾斜はあるものの概ねフラットで良好! 今回は水場が無いと予想、水もアルコールもボッカしてきたので どこでも野営
      が可能。 取りあえず乾いた喉を潤しましょう・・プシュ☆ 乾杯〜! しかしこの白鳥北西尾根の下部は 上部からは想像も出来ないくらいの植林
      と笹薮の連続技・・・^^; 原生林の豊かな森を静かに歩く癒しの旅の予定だったのでは・・・? との叱咤激励の声も 又聞こえてきそうでしたね。
      しかしながら、後半の尾根は予想通りの原始の森に迷い込んだし、野営適地も見つかって上々の仕上がりと言った所でしょう。
      春の陽射しの中、原生林に包まれて至福の時間が流れて・・・今日は遅くまで騒いでも大丈夫!の筈が・・・睡眠不足?かお疲れモードか・?
      18:30くらいからウトウトと始まりました。 明日の行程を考えて、少し先の偵察と、付近の地形から現在地座標を特定確認するのが定例なのだが、
      今日は止めておこう。 どこに居てもいいじゃないか、今夜は脊梁山地の懐深くに彷徨いこんだんだ。 今ここにある森を素直に愉しもう。
      カップリングした野鳥達が楽しそうに飛び回り、すぐ近くまで鹿がきていたようだ。夜にはヘッドランプも要らないくらい 明るい月光で辺りを歩ける。
      静かな静かな・・ 静かな夜でした。




■翌朝、快晴◎ ゆっくりとした朝の時間を過していざ出発! 浅い藪のあるが概ね快調、短いアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を稼ぐ。アセビの花も輝いてる。

●高度 1570m付近はとても顕著な地形をしている。尾根の両側から谷が詰めあがってきて、両サイド切り立つ急峻な地形だが、ここに水流があった!水場になるか。


             ■気持ちの良い原生林を歩く・・・途中に幾つものテンバ適地があったなぁ〜。  バイケイソウの新緑がとても綺麗だ。
   



   ■広い広い稜線上にはブナとツガと、立ち枯れの白骨林も目立つ。
   



                   ■この辺り石灰岩が沢山露呈していてカルスト台地のようだ!ドリーネも沼もあった。 御池が近いかな・?
                   





     ■原生林歩きを楽しみ事、程なくして山頂直下の一般登山道に合流、 ひと登りで白鳥山山頂に到着! 皆さんお疲れ様でした、無事到着ですね◎
   
●冬枯れか笹が枯れたか、白鳥山の山頂は樹林の間からちょっとだけ展望も得られた。明るい山頂で一息いれて下山に入る。下りは御池〜上の内谷コースへ。




             ■ウエノウチ谷沿いの道は本当に素晴らしい味わい・・・これこそ『癒し』かな。 明るい森を淡々と下りましょう。
  


  ■よくぞこの地まで辿り着きました・・平家の落ち武者跡地
  



    ■ウエノウチ谷中流域の絶好のテンバ。 目の前に水が流れて雰囲気も良い ブナに囲まれた贅沢な別荘だ。
    



                        ■明るい原始の森に癒されましたか♪
                        



■森に見とれ、花に見とれながら歩いているとあっと言う間に御池登山口に帰着! あとは にがこべ谷出合いまで林道歩き・・付近お風景が良いので苦にならない。



■青空とにがこべ谷、 ウエノウチ谷沿いの原生林は本当に素晴らしい風情でした! またこの風景を見に来ましょうね。そうそう帰りに見た「あの谷」に行くかね♪
   





    < Photo  Presented  By Ayakichi ,Tenkara_keiyu  & Sawa_Gourmet >







■時  期  :  2008年 4月19〜20日
■地  図  :  不 土 野
■メンバー  :  天唐渓遊、 ふたすじ、 綾吉、 沢グルメ





                                   
                       







































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