●ミヤマオダマキ・イワベンケイ・ハクサンイチゲ●
(2003年7月30日〜8月3日)
南アルプスの盟主”北岳”から連なる峻嶺な3000m峰の峰々は、通称”白峰三山”と呼ばれている。高山植物の宝庫
でもあるこの山塊には、6月終わり頃、ここだけでしか見れない固有種 「キタダケソウ」も咲き誇ると言う。登山客もさほど
多くない南アルプスには夥しい数の高山植物が短い夏を惜しむかの如く乱れ咲き、その美貌を虫達に誇示するのだ。
憧れのアルプス花山行、思う存分浸ってみよう。
北部九州からの道のりは遠いこの地にあっては、昨年の台風の影響で南アルプス林道の崩落し益々アプローチが困難
になってきた。今回の旅は福岡発名古屋行きの夜行バスで始まり、延々6回のバス乗り継ぎを重ねてようやく白峰三山の
玄関口広河原に到着だ。雲の切れ間から見え隠れする盟主”北岳”は 国内で2番目に高い峰なのだが、登山愛好家以外
の人々にはあまり知られていないようだ。この時期、北アの槍や穂高の人気に隠れて、少し上からデンと見据える北岳には
何か頼もしい印象を持った。
■登山客で賑わう北沢峠。この地は甲斐駒、仙丈ヶ岳、 ■広河原に到着。アルペンプラザ前。
白峰三山などの起点となるポイントだ。思い入れも様々
な登山客の波が途絶える事は無い。
●アルペンプラザ前の案内図と日本アルプスの開祖ウォルター・ウェストンの碑●
●テント場前の花達●
■シモツケソウだろうか。 ■クサボタンの群落もある。
■野呂川前河畔にテント場がある。 ■何とこの日の南アルプスのテント場は、私ともう
1張りだけだった。
■福岡からのバス6回乗り継ぎの旅を経て広河原
に着いたのは16:00頃であった。ここからも遠く
大樺沢雪渓が見えて期待も高まると言う物だ。
明日から始まる白根三山の山行を前に、テントの
中で独り地図を眺める。明日の天候は心配ない
・・・さてさて今日は早々に就寝するとしよう。
■快晴群青色の空に北岳の勇姿が聳える。正面が北岳バットレスだろうか。
■広河原から暫く樹林帯を登る。
●登山道脇の花達●
■クガイソウ ■バイカウツギ(梅花空木) ■センジュガンピ
■大樺沢の大雪渓・・・冷気が漂う。
■アイゼンを装着する登山者。 ■上部からガスが垂れ込めてきた。
●ミヤマハナシノブ ●シナノキンバイ(信濃金梅)
■八本歯沢のガレ場。このガレ場で暫くの間 ■八本歯へのハシゴが出てきた。
オコジョが遊んでくれた。
● 標高が高くなって出てきた花達 ●
●ゴゼンタチバナ ●イワツメクサ ●ハクサン石楠花
●ハクサンシャクナゲは妖艶●
■八本歯のコルへ急斜ハシゴ場。
■八本歯のハシゴ場・ ■八本歯のコル
●ヨツバシオガマ ●キンロバイ(金露梅)
■トラバース道分岐点 ■この斜面が北岳荘へのトラバース道。この道沿いに
あのキタダケソウが咲くらしい。この辺りから高山植物の
花畑が広がってきた!!
● 高山植物の花々たち ●
■タカネツメクサ ■ミヤマオダマキ ■ハクサンイチゲ
■ミヤマオダマキは特異な花弁を持つ。気品の高い花だ。 ■これも固有種のキタダケトリカブト。小さいが毒性は
同じだ。その周りはイワベンケイの雌株。花の色が違う。
●ミヤマオダマキとイワベンケイの雄株。奥はハクサンイチゲ
■高山植物と戯れながら、広河原から5時間ちょいで北岳山頂。
北岳では残念ながらガスがかかっていた為展望は無かったが、
仙丈ケ岳方面の展望が開けていた。
●コイワカガミ ●イワギキョウ ●コケモモ
■設備の整った綺麗な北岳山荘。最新鋭のバイオ式トイレは
高性能らしい。シーズン中は医療チームの駐在すると言う。
九州とは違い、小屋でビールを買えるのはありがたい!
●テント場周りの植物達●
■ヒメコゴメグサ ■ミヤマアキノキリンソウ・・・やはり普通の物とちょっと違う
■ウラジロナナカマド ■タカネノナナカマド
■
■ツマトリソウ ■北岳山荘テント場。広くて少なくて快適だ!
■白根三山縦走初日は、天候にも花にも恵まれ又、登山客も少なく
快適な山歩きが出来た。ビールを飲んでレトルト食を食べてしまうと
あとはテンバ周りの散策だ。珍しい植物だらけで飽きることは無い。
明日も天気はもつだろうか・・・
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