(2004年5月3〜4日)
”祖母は深し、大崩は深し”・・・宮崎県最深部 大崩山群の真ん中を貫く祝子川源流。両岸絶壁に切り立ち100m
程に発達した花崗岩一枚岩の圧倒的スラブ・・・出口は40cm程に狭められたゴルジュ帯を形成する祝子川本流は、
よほど沢慣れしている人意外、その核心部を見る事は出来ない。そんな魔宮の暗黒世界とはうって変わって、吐野から
は一転 慈悲深い穏やかな渓相へと姿を変える。国設三里河原鳥獣保護区に指定され、森林生態系保護地域として
手厚く保護されているこの一帯では魚釣りはおろか、一切の動植物の採取、生態系に変化を及ぼす可能性のある行為
は固く禁じられている。言い換えれば九州でも本当に珍しい野生のヤマメたちの生態を垣間見ることが出来るのである。
奇跡とも言える大自然の奥深さをゆったり、しっかり味わおう。
この夢のような楽園は、森林生態系保護地域であるのでもちろん、テンカラも狩猟も植物採取も一切禁止である。
今日は 竿も持たず、川に向かって棒切れすら振らず、じっくりと自然と一体となり、ヤマメ達の元気な姿を目に焼き付
けよう。折りしもこの日の前後は雨の予報であったので、GW期間中にもかかわらず登山者は皆無!三里河原のテンバ
ではこの奇跡の自然生態を独り占めする事が出来た!今日は13:00過ぎからの取り付だから吐野でゆっくり一泊しよう。
■祝子登山口より入渓。 ■木山内岳分岐。
■喜平越谷。 ■湧塚岩峰群のダキ。
■雨の中の原生林が瑞々しい。 ■祝子川100mスラブのゴルジュ帯。
■ゴルジュ明けの祝子川・・傾斜が緩む。 ■五葉塚
■吐野の穏やかな流れ・・ヤマメ達が悠々と泳ぐ。
■雨に濡れる三里河原の絶景。・・・・ 楽園のようだ。
■誰も居ない三里河原で深い自然を独り占めだ。
■ここではこれだけでも、豪華な晩餐だ!。
■雨の天気予報だったせいだろうか、連休期間中にもかかわらず
誰も登山者が居なかった。河原にテントを張らせてもらい、後は
ゆったりとヤマメ達の遊泳を眺める・・いつまで見てても全く飽きない。
こんな奇跡の様な渓流がいつまでも保たれる事を願い、
川と森と祝子の精霊達と杯を酌み交わして、夜も更けていく。
雨はしとしとと降り続いていた・・・明日も雨だな。 〜〜
〜〜 ●● 2日目・雨 ●● 〜〜
■瀬戸口谷の渓相。こんな細い浅い水の流れの中でも、ヤマメ達は元気に生息していた。背びれを出して泳ぎだしそうだ。
■この地域特有の「三つ葉テンナンショウ」。雨でクシャンと。 ■黒岩滝の左岸にロープあるが古い・・今度張り替えよう。
■立派な看板。地元山岳会の方達の仕事だろうか・感謝 ■夏木山分岐に侵入。
■夏木山分岐にはこんな標識もある。
■ここの笹薮を直進するのだが、笹薮が濃いかった為、
右の尾根に斜めに這い上がって、正規ルートに合流した。
直進した時の尾根への合流点を認しなかったのだ。・・・
その結果 下山しにここで迷ってしまい1時間程
放浪してしまった。
■要山手前の峠。大吹峠と言うのだろうか・? ■要山
■五葉分岐 ■石楠花は盛りを過ぎたかな・・・
■雨の夏木山山頂 ■山頂近くにアケボノツツジが綺麗だ。ヒカゲツツジも咲いていた。
■山頂でラーメンを作って食べたが、雨でスープの量が増えて冷たくなってしまった。
早々に下山するが途中でちょっと道迷い。思い込みとは恐ろしいもので、最初大分県側
の谷を下降していた。すぐにおかしいと気づき、辺りを探すが道が見つからない。周りには
ガスが出て展望も効かず、地図と磁石で現在地を割り出そうとするが中々特定できない。
見渡せる目標物が無いとお手上げだ。1時間以上彷徨っていると、ほんの一瞬だけガスが
晴れた!! 慌てて辺りを確認すると遠くに坊主尾根の米塚が見えた・・・しめた助かった!
現在地が特定出来たので、見当をつけて瀬戸口谷方面の藪斜面を下降し谷に出た・・・
ホッとしました。
■時 期 : 2004年5月3〜4日
■地 図 : 祝子川・ 木浦鉱山
■メンバー : 単 独
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