小丸川水系・倉谷〜矢櫃岳 ・・・衛兵守る秘めやかな谷からマイナーピークへ・・・

 

  ■2008年お盆・・・毎年の事ながら中々休みの取れないこの時期、唯一の休日は 17日(日曜)のみ・・・^^; 私以外にも家族サービスやら、熱血企業戦士やらで
   似たような境遇の人々も居たようです。その大切な17日(日)の天気は、まぁ見るも無残な九州全土、雨・あめ・アメの予報。しかし、よくよく見てみると宮崎県地方
   の太平洋側南部には一縷の望みがありそう! ダメモトで行ってみましょう。宮崎県日向市近郊には尾鈴山を盟主とした山塊が広がっていて、九州でも有名な名渓
   多く点在してる。尾鈴山の西側から深く切れ込む名貫川源流には尾鈴山瀑布群を抱える急峻な谷が名を連ね九州沢屋の憧れの地であるし、北西に緩く蛇行する
   石並川は熾烈なウォータークライミングを強いられるゴルジュの谷で有名だ。 また東斜面には一昔前まで、最後の秘境と称えられていた、長く険悪な谷 ”矢櫃谷”
   がトグロを巻いている。
   さて、今回は尾鈴山の北に位置する万吉山から東に派生する尾根上に存在する 946mピークの北斜面に食い込む”倉谷”を目指す。実はこのマイナーピークは
   矢櫃岳と呼ばれ、あの「矢櫃谷」の名前の由来となっているようだ。しかし、この地域は 
『彼ら』・・・の生息域に極めて近い。10数年前、矢櫃谷で出合った深い自然
   には感嘆したが、あの時 襲撃された
 『彼らのダンス』 が走馬灯の如く脳裏に蘇るのでる。  



■いつもの”ブルーシートゴロ寝隊”は設営、撤収が早くてGood! 17日朝は晴れ◎東郷道の駅付近で仮眠を取った我らは、すぐ近くの児洗集落付近から倉谷を目指す。

■目指す倉谷は車道横に流れる小丸川の対岸に流れ込む谷である為、適当な場所から小丸川を渡渉する。昔は渡渉も大変だったであろうが、今は土砂が堆積してて浅い。




        ■入渓してすぐの倉谷は広くて水が無い・・・涸沢だ。 淡々と歩くこと25分くらいで水流が出てきた。 火照った身体を冷やす水がありがたい!
 



                     ■水流が出てきた谷は開放的で爽快なナメや小滝が連続した。 この谷はフェルト有利・・・でした♪
 


■水流を登るミッチー!今日の為にステルス新調して臨んだが、結構滑ってました・・^^;  気温も上がってかなり暑い・・・シャワーが嬉しい。
 


  ■倉谷・・・の名前からイメージしていた渓相 「暗い」」「狭い」 とはかなり違って、開放的で明るい渓谷だ!空が広い区間が続いた。 
  

         ■そして、目の前に秀麗な3段滝が水を落としていた! 綺麗な滝姿だ。
         



       ■1段目、滑りやすい滝を慎重に登る。 中間支点にキャメロット1番、手掛りスタンス豊富なので楽に登れる。ここもフェルトがすいすい来ました♪
 



            ■マッキーさんがサクッと登ってきて、 綾吉、Poohさんと続いて登って来た後に・・・ それは起こった! 山ヒル登場 !!★☆
 
●この滝の上でPoohさんが奇声を発して手袋の内側を払いのけた・「来た来た来たぁー!」私には瞬間的に「彼ら」だと理解できた。やはりここは彼らの生息圏内だったのだ。



■2段目滑り易い滝はちょっと手が出ない・・・左岸を巻く。 両岸急峻なこの谷では 高巻きも苦労する。左岸スラブを1ピッチ登って左側ブッシュにトラバース。
 


■草付きの斜面は滑りやすい、慎重にトラバースする。 ≒10m移動した位置から直上、ブッシュ帯を巻く。 ここにも山ヒルがウヨウヨ・・めげずに登るミカンさん。
 
●この日を境に 『蛭姉ちゃん』 の四股名を頂戴する事に・・◎


■3段目見事な直瀑!25mくらいあるかな・・?水流左の大きなクラックを拾って直上・・無理か。ここも左岸巻き。この巻き行程はヒルの巣だった。全身シャワーのプーさん。
 

 ■3段目の上で各自入念なヒルチェック・・・ おりますなぁ〜・・・^^;
 

  ●高巻き途中でもスリングを張ったり、確保をしたりと際どいトラバースをこなさなければならなかったが、その斜面は山ヒルの巣窟だった。 足もとには常に複数の
   ヒルがたかってくるし、リュックの後ろ、首の付け根にも貼り付いている。 手袋の陰からも沢山のヒルをつまみ出した・・・ いやぁ〜久々に参ったね^^♪
   マッキーさんおザックからも複数のヒル摘出!

                      
          ●足元から上陸作戦を展開するヒル君。                            ●ヒルダンスを披露する・・・  招かれざる客だ。



■さて、気を取り直して遡行開始!                                ■とても快活で明るい谷は気持ちいい☆ しばしヒルを忘れる。
 


        ■これはいい谷だなぁ〜・・と感じる区間。・・・明るい谷に燦燦と降り注ぐ太陽◎
        




■辺りは緑の原生林。 木漏れ日が心地よい。                   ■時折現れる滝の飛沫を浴びる綾吉さん。
 
 ■広く快活な谷・・・勇ましい印象を受ける谷だ。この少し先で 谷は二股になる。
 


■左手に大きな谷を見るが矢櫃岳に向かう本流は右股の薄暗い方だ。右股に入ってすぐに更に二股に別れどちらにも直瀑が架かる。左岸のガレバを高巻き。

●右股に入った正面の滝・・登れません。         ●その左手奥に顕著なゴルジュの直瀑。なお登れません・・・  ●滝の上ではこんな洞穴の中へ谷は続く。
  

        

    ■谷の様相が だんだんと「倉谷」・・っぽくなってきた。 奥のほら穴の中へと谷は続くのだ。
    


                        
                            ■ほら穴の出口はこんなチョークストーンの小滝・・・ 一人通るのがやっとかな。
                            



■ここも狭く急峻なゴルジュ・・・倉谷のイメージか・・?!                ■ミッチー・チムニー登攀。
 


■狭まった谷は急傾斜となり高度を稼ぐ。                             ■人が一人通れるくらいの狭い谷へ・・・
 


■源頭部は益々傾斜が増し滝の連続だが 水流は中々涸れない。 ひと踏ん張り登ると、水は涸れ植林帯へ入った。 稜線目指して詰め上がる!



   ■矢櫃岳山頂!お疲れ様でした;;                               ■麓までの踏み跡は明確だが急傾斜だった。
         
   


 
■無事に矢櫃岳山頂に到着!マイナーピークを踏んで順調に下山完了!

 皆さんお疲れ様でした。ここは当初予想していたよりも随分と沢筋が広く、
 明るい谷でした。 週末の天気予報もピンポイントでバッチリ晴れてここまで来た甲斐がありました。 
 この界隈・・・南郷村から東郷町にかけての小丸川水系〜渡川水系には まだまだ沢山の谷が点在
 していますから、本当に楽しみな地域です。 まぁ、出来ればヒル君の居ない沢で安心して遡行したい
 ものですね・・・しかし、今日の前半戦はかなり痺れるヒルチェックでした。 足元にたかるヒルの群れを
 見ると彼らも必死なんだなぁ〜・・と思いますが、コチラも必死なので勘弁願いたいですね。
 倉谷とは 前半の豪快に明るい谷から〜詰め部分の急峻な谷へと変化を見せる・・・ 
 まさに衛兵<山ヒル>の守る密かな谷でした。

 それでは皆さん また魅惑の渓でお会いしましょう。
                          

  



<< 本日の献血結果 >>

 ■下山完了後、入渓地点の小丸川本流に戻って持ち物と身体のチェックをしました所、 まず私のスパッツに ヒルx1匹確認するも直接被害はなし。
  綾吉さんは左足に一箇所被害・・・被害箇所からじわぁ〜と出血が止まらない♪ それを見ていたミカンさんは・・両足に1箇所ずつ2箇所に加えて
  お腹周りには まだ吸血中のヒル君一匹と 傷跡が1箇所の合計 4箇所から献血。 実に景気の良い話でありました。(^-^)/~~ 
  更に綾吉さんの沢靴の靴紐の辺りから 2匹のヒルを摘出しました。


■綾吉さんの おみ足から滴る献血の証。        ■食後のデザートをねだるヒル 2匹♪          ■全身隅々までチェックして川の流れに漂うのでありました。




          <Photo Presented By Ayakichi , Micchiy & Sawa_Gourmet>








■時  期  :  2008年 8月17日
■地  図  :  坪  谷
■メンバー  :  マッキー、 Pooh、 ミッチー、 ミカン、 綾吉、 沢グルメ









                                                         











































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