(2008年8月2日)
■湧塚分岐点から 祝子川本流に降りる。 奥の巨大な岩峰は 小積ダキ。
■2008年盛夏! 早朝からケタタマしい蝉時雨降り注ぐ8月となりました。渓谷を生業とする山屋さんにとってはシーズン真っ盛り!毎週末の予定消化に余念が
無い所でありましょう。九州北部地方の2008年7月中のトレンドは”高温少雨猛暑型”山間部では高温ゆえの夕立が打ち水の代役を果たしてくれていたようです。
このコアな期間に愉しむべくは 『青空・極めて美しい水・そして白い岩』・・・◎そんな典型的な美渓で思い切り水と親しむ・・目を見張るような造渓に浸っている瞬間
こそが、生命のマルチビタミンとなるのでありましょう。
と言うわけで、晴れマーク全開の週末に向う先は「祝子川本流」。 花崗岩の岩盤を穿って流れる極めて清冽な流れに身を委ねると巷の垢も落ち、ぷりっと生まれ
変わるような感覚に陥る事必至。 千変万化を繰り返す渓谷美はやがて、九州屈指の明るいゴルジュ・・両岸にそそり立つ花崗岩スラブの切迫する見事な姿を
露わにするのであります。
さて今回、祝子川本流に入渓するキャストは天唐、Pooh、チャー、リフト、ミッチー、綾吉、私・・・の花を愛する『川花歌劇7人衆』。 流れに強い”水の落し児”が前線を
固める、アルパイン系が拓く、山岳アスリートは駆け抜ける、国技横綱は喰らう・・(・o・) と言う布陣で臨む。役割分担チームプレイの要求される渓谷登攀としながらも、
遡行とは流れに対峙し克服しようとする気持ちは捨て、奇跡の大自然が造形する渓谷美に溶け込み一体になりましょうか。
■祝子川温泉駐車場でゴロ寝の仮眠。 ■登山口にて登山届けを提出 ■湧塚分岐点より入渓、青空が眩しい!
■8月1日(金)深夜〜 美人の湯 第2駐車場に到着した我らは夜食もそこそこに駐車場にシートを敷いたのみの ゴロ寝で夜明けを待つ。若干の夜露は降りるものの
概ね快適で、撤収時間も早い。大崩山祝子登山口には関東方面のナンバープレートをつけた数台の自家用車が、既に主を送り出していた。さすが大崩の知名度は既に
全国区なのかもしれない。
■巨石累々谷に広がる。大石の乗っ越しに奮闘する綾吉さん ■綺麗な渓だ!
■釜付き滝を泳いで突破 ■滝の中心を流木のすがって直登!シャワーのみっちぃ。
■大釜付きの滝! 水の落し児 Poohさん得意の ラッコ泳ぎ
■調子に乗って大釜横のスラブ岩に登ったはいいが降りれず・・^^;ミッチィ、Poohさんの助けを借りる♪ ■釜から這い上がる天唐さん。
■青空と花崗岩の白、透明な水・・・そして緑のシャワー ■誠に九州離れした美景・・美渓!
■積極的に水と親しみましょう!
■嬉しい時の表現方法・・・レイバックミッチー。 ■これは珍しい複雑な造形美!奇妙に穿たれたゴルジュを形成している!
■実にアバンギャルドな渓相である!
■チャーさん、Poohさん、綾吉っちゃん。
■この釜の上でしばし休憩。
■巨石とスラブの渓谷美★
■ここも泳いで取り付き。 ■ツッパリに泳ぎにヘツリに、遡行に夢中になる瞬間。
■四方をスラブに囲まれた大釜の滝。。。Poohさん泳いで偵察。正面 右のクラック沿いに直登可能か・?!かなり奮闘させられる事間違いなし、今日は勘弁してやろう♪
■滝の左壁をこの位置までショルダーで上がり込み、付近に点在するリングボルトを拾って人工で越え立ち木でピッチを切る。岩峰を左から回り込み懸垂で谷に戻る。
■懸垂下降の綾吉さん ■ここからも奮闘遡行だ。ショルダーに押し上げで大岩をクリアするリフトさん。
■チョークストーン滝を強引に越える! ■大岩をショルダー 一発で乗っ越し!リフトさんありがとー!
■真打、祝子川の名物ゴルジュが出てきた。側壁は両側とも
≒100mの花崗岩スラブ壁。谷底は狭いが 上部は広く明るい!
ここでもゴルジュ入り口で『喜びのレイバック』を演じるみっちぃ@
奥の噴出し部分が俗に言われる「幅30cmの噴出し滝」である。
確かに他には あまり類を見ない特別な存在感のある渓相だ!
沢登り愛好家としての醍醐味でしょうか♪
■喜び勇んでミッチー泳ぎ突破! ■続くリフトさんも泳ぎ一発!
■Poohさん 決め手のラッコ泳法!
■チャーちゃん スリング引いての泳ぎ。 お陰で助かりました・・・^^;
■ゴルジュ核心部、ツッパリ状態で固まる綾吉、じっと激流を見つめる。 ■back & foot で乗っ越すチャーちゃん。
■チームワーク良くゴルジュ突破!
■ここでも奮闘、チョックストーンの小滝・・・ツルツルスラブで往生するも、左サイドをショルダーで一段上がり 流木にすがる・・・ほっ。
■ゴルジュ出口にかかる流木混じりの激流、リフトさん乗っ越す。 ■珍しく寒がる天唐さん、カッパを着込んで泳ぎ。
■アブミ & 引き上げで越える。
■ゴルジュ帯を越えてほっと一息・・・三里河原の入り口にさしかかる。 ■名残を惜しんで遡行に耽る皆さん。
■最後の淵を泳いだら吐野まですぐだ。 ■極楽のような穏やかな渓流に癒される 『脱臼天ちゃん』 後姿が絵になってきました。
■無事に三里河原、吐野に到着!皆さんお疲れ様でした。九州屈指の美渓
祝子川渓谷の源流部に広がる花崗岩の渓相はやはり見事!の一言でした。
清冽な水に磨かれた白い岩肌は相乗効果・と言いましょうか殊更水の透明感を
増してくれそうです。この界隈にはテンカラ釣りで何度か入渓しましたが、その時
の何倍も何十倍も美しく感じたのは、「木を見て森を見ず・」ではないけれど、
ポイントの事ばかりが先走って、美景を見てなかったのでしょう。
しかしながら、風光明媚で知られるここ吐野の様子が変わっていたのには驚いた。
数年前の台風による大雨の影響であろうが吐野の渡渉地点にあった淵・ヤマメが
悠々と泳いでいたあのプールのような長瀞が完全にジャリ小石で埋まっていた
のである。最近三里河原の最深部まで歩いた事のあるミッチーの話しよると
中瀬松谷出合いから奥は昔のままの渓谷美だそうだ。
そう言えば祝子川本流の様子も10数年前から比べるとだいぶ変わっていた。
核心前後の釜滝付近にも堆積したガレ石で谷底が埋まっている箇所も認められた。
加えてここの所の少雨による減水とで今回の遡行を手助けしてもらったような物だ。
自然の猛威は時として人家大の大石をも動かしてしまい渓の様相を変え、堆積した
土砂で淵を埋めてしまうが、これも長い年月をかけて元のような澄み切った淵を
再生してくれるのかもしれない。自然の力に希望を込めて。また会いに来ますよ☆
それでは皆さん また未知なる渓でお会いしましょう。
<< 今週のワンポイント 豆知識 >>
■この写真の箇所の通過について、最初に天唐さんがほぼ二足歩行でスタスタ越えて行った。続くチャーちゃんが取り付くがズルズル・・登れない。何やってんの・・?
のノリでリフトさん取り付くがズズズゥ〜〜滑ってやはりダメ。 ひょっとして・・と思い私が取り付く・・・スタスタスタ・・問題なく通過◎ この差を分けたのは何か?
もうお気づきでしょうが、足回りでした。「フェルト底」と 「ステルスラバー底」。 まぁ、これまで賛否両論ある中 どちらも一長一短で総合力ではフェルトかな・?
との考えもありましたが、こんな顕著な差が出たのは初めて。花崗岩にはもちろんステルスが強いが、ここ「大崩祝子川のスラブ」には特に強かった。
ゴルジュ通過時も このまま登山道に抜けちゃうかも・?の勢いでチムニーが決まる。沢靴考察については まだまだこれから進化した機種もありそうですし
目が離せない状況でありますなぁ〜♪
因みに 翌日遡行した石並川水系の谷では フェルト有利の印象でした。
<Photo Presented By Ayakichi ,Pooh & Sawa_Gourmet>
●脱臼・天唐渓遊 ●水の落し児・Pooh ●ガリビエール・チャー
●ゴーグル忍者・リフト ●奥さんがサーファー・みっちぃ ●横綱・綾吉 ●カナヅチ・SG
■時 期 : 2008年 8月 2日
■地 図 : 祝子川 ・ 木浦鉱山
■メンバー : 天唐渓遊、 Pooh、 チャー、 リフト、 みっちー、 綾吉、 沢グルメ
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