(2005年7月16日)
九州脊梁山地の盟主 ”国見岳”尾根筋に豊かなブナ林を蓄え、威風堂々とした山容は訪れる人を惹きつけてやまない。
その国見岳の北西側に派生する尾根上に静かに佇んでいる山が”平家山”である。この二つの山を結ぶ尾根筋には、今も
豊かで緑溢れる原生林が茂っていて時折見上げるほどのブナの大木も起立しているのだ。。樅木本谷源流・ヒガエリ谷から
稜線目差して遡ってみる。
平家山への道は通常、腰越からヨウゼン谷沿いにつけられている登山道をピストン登山するしか無い。国見岳を絡めて周回
登山が出来れば、スッキリと楽しめるコース設定が出来るのだが・・。テンカラついでに登りで沢ルートを使えば、樅木を起点に
平家山〜国見岳を周回縦走が出来るのである。少々笹藪が気にはなるが、取り付いてみるか。
■五勇林道から平家山派生の尾根を見る・・・結果的には
この支尾根に上がってしまったようだ。 ■林道沿いの21番カーブの所から谷へ降りれる。
■ヒガエリ谷は穏やかだ。滝と言ってもこのくらいかな。
■最近出来た新しい砂防堤。正面の小滝がヒガエリ谷出合。
■谷沿いは緑豊かだ。
■テンバ適地だ!ここで一泊したいが時間が早い・・・
■少し上流に入るとヤマメの走る姿が良く見えるようになった。 ■こんな感じの谷を淡々と歩く。
■この二股を左に取ってしまったが、これが間違いだった。 ■先はこの様になっている・
■谷はだんだん細く・・・・ ■源流の様相になってきた。
■水も涸れてきた。 ■笹薮の中に ショウキ蘭が咲いている。まだ余裕。
■さて笹薮出現! ヤブコギ開始。 ■思ったとおり手ごわい笹薮が続くが、元気に漕ぐ!
■20分程のヤブコギで ピーク(稜線)と思える個所にでた。が、 縦走路らしき道は無い。少し反対側に
降りてみると、写真の様な リョウブの木に「赤テープ」が巻いてあったと思える「痕跡」を確認した。
この時点で間違いないな・・・と思った私はあたりに縦走路らしき道 を探したがどこにも見当たらない。
これは・・マズイ・・と思って安全策を考え進路を南東に取った。最悪、国見岳の方角に進めば何とかなる
と考えたのである。しかしそこは杣道どころか笹薮の海が益々激しくなった。まったく起伏の無い平らな地形
が尚更判断を鈍らせる。もう一度地図をよく確認してみる・・・なるほどここは平家山の南側に派生した支尾根
に出た可能性が高い事に気づいた。沢を一本間違ったに違いない・・あの分岐だ。さて困った、殆ど平らな
状態が続くこの一帯で方角を決めて進むにはあまりにも藪が濃過ぎる。2時間彷徨ってしまった。
「冷静になろう」 一旦ザックを卸して冷えたビールを飲んだ。テントは持っているし、食料も充分にある。
慌てる事は無いと、もう一度良く地図とにらめっこしててみた。支尾根に迷ったと確認した時点でひたすら
北に向かって藪を漕いできたので、どう考えてもそんなに大きな間違いは無い筈だ。ザックを背負ってまた
歩き出す・・・と数分もしない内に 幸せの「赤いテープ」が目に止まった!国見の神様ありがとうございました!
声に出して謝していた・・!
■赤テープがこんなにありがたいと思った事は無かった・・
平家山の山頂手前の縦走路に脱出できた。 ■ショウキ蘭の群生だ!
■平家山山頂。
■セルフタイマーでワンショット。疲労とも動揺ともつかぬ
顔つきだな・・・しかし2時間強の放浪は痺れた。
■国見岳方面に歩き出すと 一箇所展望の効く気持ちの良い痩せ尾根がある。ここでゆっくり休みたいね・・・今日は通過♪
■古い標識がある。 ■緑が眩しい!
■快適な原生林の森だ。 国見岳に近くなると笹が出てくる。 ■広河原登山道合流点。ここから登り。
■綺麗なマンネングサ ■国見岳山頂到着。時間も早いので下山しよう。
■国見岳山頂より 小国見岳方面を展望する。
国見岳直下の力の水で一泊してのんびり五勇・烏帽子
廻りの周回コースを愉しむのも良いか。
■時 期 : 2005年7月16日
■地 図 : 国見岳・ 葉 木
■メンバー : 単 独
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