宝珠尾根〜剣ヶ峰−主稜線縦走 (2008年3月8日)




■2008年も もう3月そろそろ冬山も終盤戦。 今年の冬はいったい寒かったのか、そうでも無かったのか・・山を生業としている者としては、判断の難しい
  年でした。伯耆大山にも数回入れたし、西中国山地の新雪も踏めたし、中々趣き深い雪山詣でも出来たと思います。 が、今年一つのテーマだった
  大山の主稜線縦走・がまだ取れていない。 天候不順や日程調整が上手く行かず、なかなかチャンスが巡って来なかったのが現状だろうか。そんな中
  でのこの3月第二週末、事前の天気はとても微妙・・・水曜から降り出した雪の為に、大山循環道路は舛水スキー場から大山寺までの間が通行止め、
  この地方に雪崩れ注意報が発令される始末。 しかも週末は少し気温も上がりそうだ。 お天道様には敵いませんから天候悪けりゃ中退するのみ!
  金曜夜 福岡出発〜 現地スキー場駐車場で仮眠! 深夜01:00過ぎの夜空には、満天の星が輝いていた☆★  これはひょっとしたらイケルかな!



  
■元谷大堰堤を越えて北壁を見ると、「別山バットレス」に取り付いている3パーティー が見えた。 その隣のリッジ・・「幻のカンテ」にも 2パーティーほど見える。 
 今日は賑やかなのかなぁ〜と思いながら元谷避難小屋付近を歩くが、宝珠尾根方面の取り付きに向かうトレースが何もない! 中宝珠越方面に伸びるトレースも
 皆無だ● これは予想外・・・^^; 何となく今日はトレースバイパス使ってでも、縦走を取りたかったのだが、 これはいきなり取り付きからのラッセルになりそうだ♪



      ■さて、そうと決まれば早速ラッセル x 2!元谷沢沿いのバージンスノーを淡々と踏み締めながら、適当な尾根に取り付き、急斜ラッセルでもがく・・・^^;
    



■アメ車並みの強引なラッセルで観客を魅了する綾吉・・しかし低燃費・・・^^;      ■ミッチースタイルは雪面でも両手フリーのラッセル! ガンガン漕いで行く。
  

■支尾根を拾って 木の根元の 『「穴』 に嵌らないように・・雪まみれになる。     ■宝珠尾根稜線に向けてラッセルトラバース
  



■宝珠尾根に上がったが、 トレースは無し! 今日この尾根に入ってるのは我々だけのようだ!  ラッセラーズ・ハイになり黙々と歩くチャーさん。
  

  ■コチラも完全にラッセルハイ状態・・・ 大山南壁の魔術師 リフトさん♪
  


        ■小ピークに向けてラッセル・・・この日は晴れたり、曇ったりの繰り返しのようだ! このピークの向こうに三鈷峰が聳えている!
           



■小ピークを北に折れ、主稜線に向かう尾根を辿る。                    ■北壁の仕事人 チャーさん尾根に立つ。
  

  ■痩尾根に這い上がる
  




       ■右手前方に稜線が見えてきた! ここはユートピア小屋方面にトラバースせず、中央の尾根をダイレクト縦走路に上がる。
       



■正面の尾根を詰めると稜線!ここでアイゼン装着、ストックからピッケルに交換。   ■先頭のリフトさんは常にダブルアックスでの登高。リフトさん独自のスタイルだ。
  

  ■稜線目前、またガスってきた・・・
  



       ■5時間を悠に越えるラッセルで やっと主稜線に辿り着くがここにもトレースは無し! 今日は我らだけか? ガスで視界悪い中 小休止。







■考えれば今日は休憩らしい休憩は取ってなくて、先頭ラッセル交代時に
ちょっと行動食を摂る程度でしたね・・・皆さんお疲れ様でした。 
でも今日の本番はココカラデスネ♪ 風は極めて弱い、お白湯飲んだら 
いざ出発。 頑張りましょう♪ 剣ヶ峰方面に歩き出した刹那・・・!!
何と、ガスが切れて青空が見えだした・・正面の稜線が俄に浮かび上がって
来たのだ!



■徐々に晴れ間が出てくる。                                  ■雲が切れた先に 白亜の峰が見える? 振り返るチャーさん!
  



     ■・・・息を呑んだ瞬間・・・ 正面に剣ヶ峰が姿を現した! 期待していなかっただけに感動的な1コマだ ★
     



■こうなると漫遊空中散歩! 白銀に輝く雪面をアイゼンが捉える!

          
             ■白く滑らかな尾根が印象的だ☆  綾吉さん、とリフトさん。
             

                      ■大山主稜線にトレースを刻めるとは思ってもみなかった。 伯耆大山の神は少し微笑んでくれたようだ◎
                      



■剣ヶ峰の登りに差し掛かったとき、山頂に弥山からの二人の登山者が見えた!      ■さて、抜けるような青空の中 残りの縦走路を味わって歩こう!
  



              ■主稜線の南側に張り出す大きな雪疵、反対側は潔く切れ落ちる。 雪疵に寄り過ぎないように慎重な行進が続く。
  



■両サイド スッパリ切れ落ちたナイフリッジを引っ張るチャーさん・・気の入る区間だ。 ■少々ガスで視界悪い、コブ〜ラクダの背付近に差し掛かる。
  

  ■ラクダの背付近の痩せた尾根はトラバース気味に通過。
  



■ゴール直前の雪稜を辿る・・・爽快な瞬間だ!                      ■弥山前ピーク。 穏やかで、頼もしい面々。
  
 ●Photo by char san                                       ●リフトさん、 チャーさん、 綾吉さん、 ミッチー@つばめさん。



       ■弥山山頂手前の小ピークに到着! 出発前西斜面から弥山経由の剣ヶ峰にしようか・・とも話し合ったがやはり今日は主稜線縦走に拘ろうと、
       宝珠尾根からの一般コースを選択した。 おそらくトレースはあるだろう・・が、まぁトレースバイパスを利用してでも 『縦走した・・・』 と言う結果だけ
       で良いか、と薄く浅く思い込ませていたのだ。 
       が、実際には元谷から先トレース無し!よもやのラッセルスタートとなった。 中宝珠乗越付近の雪はサラサラのふかふかでモガイてもモガイても
       距離を稼げず・・・ 数十メートルの距離に、数十分かかり、今日はダメかな・との思いが脳裏を過ぎったが、みんな全く諦めず、黙々とラッセルを
       続けたのだ。宝珠尾根から主稜線まで長い道のりもトレースの無い中とても良いペースでのラッセルで、主稜線に出た時の感動を倍増させてくれた!

       『取りあえず 1本取りたい・』との思いで取り付いた主稜線縦走だったが、結果として自分達で道を開き、トレースを刻み、無事に縦走を遂げた
       と言う最高の結果となったのだ。  今回参加した、チャーさん、リフトさんの底なしパワーと経験、ミッチーさん、綾吉さんの諦めない気持ち・が、
       この縦走を支えてくれたし、稜線で見せてくれた感動的なパノラマへと繋がった。 みなさん、本当にお疲れ様でした!
       そして、今回の縦走についてお世話になった皆様、加勢をしてくれたお天道様、心から御礼申し上げます。 ありがとうございました!



■弥山山頂小屋にて                                      ■下山中、6合目付近から我々が対岸の尾根に残したトレースが確認出来た。
  

   ■弥山山頂では嬉しい再会があった!! 昨年の夏、南アルプス畑薙ダムからの送迎バスでたまたま隣に座らせて頂いた 「田中良一さん」である。 
    日本登山大系の筆者でもあり、無名山塾の講師だった田中さんと、ひょんな事から連絡が取れてこの日に同じく伯耆大山に入られる事を連絡していたのだ! 
    現在は伯耆大山の麓の町で山岳ガイドとして活躍されているとの事です。 田中さん短い時間でしたが最高にハッピーなひと時ありがとうございました! 
    また近い日にお会いしたいですねー♪

     『田中良一山案内事務所』 (日本山岳ガイド協会認定登攀ガイド)
     Tel & Fax  : 0859−27−3384


  ■元谷方面へシリセード・・・の筈が あまり滑りませんでした。             ■最後まで北壁が輝いていた
     






          < PHOTO  PRESENTED  BY  AYAKICHI ,MICCHIY  & SAWA_GOURMET >







■時  期  :  2008年 3月 8日
■地  図  :  伯耆大山
■メンバー  :  チャー、 リフト、 ミッチー@つばめ、 綾吉、 沢グルメ  (チーム・さんらく










                                               







































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